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高野 秀機; 滝塚 貴和; 北野 照明*
JAERI-Review 2000-014, 134 Pages, 2000/10
ADSにおける液体ターゲット及びブランケット冷却材の第1候補は、液体金属鉛・ビスマスである。Pb-Biの使用に関するメリットは、不活性、低吸収断面積、低融点、高沸点及びボイド反応度が負であることであるが、反面鋼材腐食が顕著であるという重要な欠点がある。本調査検討では、国内外のPb-Biの使用実績のある施設を調査し、材料腐食、水反応、伝熱・流動特性、化学毒性、ポロニウム揮発率、Biの資源量など広範囲に渡って調査した。その主な結果は、(1)国内の精錬所での長期間の使用実績があり、自然対流下では腐食は小さい。(2)ロシアでの開発実績及び使用経験により酸化被膜調整により腐食の問題は解決可能である。(3)高温Pb-Biと水との反応実験であり相互作用は小さい。(4)PoはPbPoを形成し、Po単体より揮発率は数桁小さい。(5)Bi資源量はADS使用には十分である。
五十嵐 寛; 加藤 功; 高橋 武士
PNC TN8410 91-274, 18 Pages, 1991/11
高レベル廃液中の準揮発性元素であるRu,TcおよびSeに対し、ガラス固化プロセスでの挙動を把握するため、トレーサを添加した模擬廃液の連続仮焼試験を行い、各元素の揮発率について800Cまでの温度依存性を評価した。さらに、Ruについては、バッチ仮焼試験を実施し、蒸発から仮焼が終了する500Cまでの各温度領域に対する揮発率を評価することにより、温度依存性をより明確にするとともに、硝酸による影響について評価した。トレーサ試験では、TcおよびSeの揮発率は、温度の上昇とともに増加するが、Ruについては、温度が高くなるほど低下する結果が得られた。また、バッチ試験では、硝酸濃度にかかわらず、仮焼時のRuの揮発量の多くは、200300Cの温度域における揮発によるもので、300C以上での揮発量は僅かであることが判った。
馬場 恒孝; 田代 晋吾
JAERI-M 8706, 20 Pages, 1980/02
高レベル廃棄物ガラス固化体を貯蔵、および処分したときの安全性を確かめる試験の一環として、廃棄物の崩壊熱によって受ける固化体の影響、すなわち熱的安定性を知るため模擬廃棄物を含有したゼオライト添加のホウケイ酸ガラス固化体について転移温度、失透温度、廃棄物成分の揮発等を調べた。その結果、次のような知見を得た。(1)示差熱分析結果から確定した固化体含水量の多いものほど(最大、0.23wt%)固化体の物性(浸出性)は劣っており、この含水量の測定結果が固化体物性の評価の目安として使用できる。(2)固化体組成中のBO配合比を増加させることにより、失透温度域が低温側に移行する。また廃棄物、およびCO配合比の増加は最大結晶化温度を高温側移行させる。(3)高温加熱時におけるガラス固化体中の廃棄物成分の揮発率は850C以上の温度で急増し、950Cでは850Cでの揮発率の2~4倍になる。